平成27年度青年社会活動コアリーダー育成プログラム視察会報告

平成28年3月2日に、青年国際交流事業青年社会活動コアリーダー育成プログラム参加者による、発達障がい支援ネットワークの視察会が開催された際の報告です。

報告書(206.1KB)[192clicks]

全自者協ニュース(2005年10月)

2005年の大分県発達障がい者支援センター開設当初に五十嵐センター長がECOALの役割や、養成研修に繋がる構想等について語られた記事です。

全自者協ニュース2005年10月(425.1KB)[518clicks]

報告書「大分県発達障がい支援ネットワークの取り組み」

平成23年度の大分県内での発達障がい支援に対するネットワーク構築への取り組み、大分県発達障がい者支援専門員養成研修や専門員派遣実施状況などをまとめた報告書「大分県発達障がい支援ネットワークの取り組み」を発行いたしました。
「大分県発達障がい支援ネットワークの取り組み」(4.3MB)[1374clicks]
ご希望の方には冊子の郵送もいたしますので、ECOALまでご連絡ください。

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 第2回発達障害施策に関する勉強会での報告

平成22年6月14日に「厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 第2回発達障害施策に関する勉強会」にて「大分県における発達障がい児者支援ネットワーク構築への取り組み」について報告させていただきました。その時に使用した資料を掲載しますので、ご参照ください。
大分県における発達障がい児者支援ネットワーク構築への取り組み(2.2MB)[2249clicks]

平成22年9月11日に厚生労働省障害保健福祉部 企画課長 中島誠氏に実際の研修場面をご視察いただき、養成研修の運営委員とも発達障がいに関する支援体制の充実に向けての意見交換をしていただきました。お忙しい最中にもかかわらず、大分まで足をお運びいただきましたことを感謝しております。ありがとうございました。
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大分県の取り組みに対して、多大なるご理解と評価をいただきました。
(左から博愛病院釘宮院長、中島課長、大分県自閉症協会平野会長)

大分県における発達障がい支援ネットワークへの取り組み

はじめに
平成17年に施行された発達障害者支援法の中で、各地域や各領域に発達障がいの専門家を育成する仕組みづくりと、各専門機関の連携体制を整えることが国及び地方公共団体の責務として謳われ、その研修の運営や情報提供・連絡調整を発達障がい者支援センターが託されることになりました。大分県では同年に社会福祉法人萌葱の郷めぶき園が支援センターの委託を受けて、その役割を担っています。

大分県発達障がい支援専門員養成研修
大分県では、昭和50年に大分県自閉症児・者親の会(現大分県自閉症協会)が設立されて以来、県内の関係機関と連携しながら親の会活動がすすめられてきており、同年には、実践家や研究者の学際的な研修・研究の場として九州・山口地区自閉症研究協議会が発足しています。更に、平成3年からは自閉症専門施設として「めぶき園」が開園され、自閉症者の療育に取り組むとともに講演会等の普及啓発活動が続けられてきました。こうした経緯から、大分県では医療・教育・保健・福祉等の各分野の関係者が連携していくための素地が培われてはいたのですが、各地域や各領域に発達障がいに関する専門家を養成すること、さらに関係機関や関係者のネットワークを推進することが支援センターのバックアップ機関である大分県発達障がい者支援センター連絡協議会(大分県の関係諸機関によって構成)において最も重要な課題として再確認されたことにより、平成18年度から各関係機関が合同ですすめる「大分県発達障がい者支援専門員養成研修」を実施することになりました。
発達障がいの支援にはライフステージを見通した視点が必要とされるのですが、研修プログラムを検討していく中で、実際には成人との関わりを経験したことのない人や、逆に幼児期や学童期の子どもの発達支援を実践したことのない人から「なかなか具体的な状態像がイメージできない」といった意見があげられたため、医療、教育、福祉、労働、行政、当事者団体のエキスパートによる講義の他に、実地研修も取り入れていくことを検討していきました。その結果、初年度には「自閉症者専門施設めぶき園」や同じく当法人の運営する「児童デイサービスなごみ園」を始め、早期療育機関である「別府発達医療センター」、「西別府病院おおいたこども発達障害センター」、「謙誠会博愛こども成育センター」、「県立特別支援学校」といった、発達障がいの支援に携わる専門機関において視察研修を行い、2年目には「めぶき園」と「なごみ園」での実務研修、3年目には各機関の専門家を招き、事例研究会を通しながらスーパービジョンを受けるとともに、「大分県自閉症協会」の定例会やレクリエーション、キャンプ等にスーパーバイザーとして参加することで、初級・中級・上級と3年間かけてゼネラリストとしての視野を広げていくプログラムが完成しています。

大分県発達障がい者支援専門員の役割
養成研修の全過程を修了し、連絡協議会の審査を通過した研修生の方々を「大分県発達障がい者支援専門員」として認定し、平成21年度からは大分県の単独事業として、新たに大分県内の各地域や各領域において発達障がいの支援に関するスーパーバイザーとして活躍していただいています(このスーパーバイザーの役割とは、発達障がい者の特性について正しく理解をした上で県の認定のもとであらゆる関係機関とのパイプを駆使し、市町村の自立支援協議会などの個別支援会議等にて発達障がいの支援に関して助言を行っていただくことです)。さらには、大分県発達障がい者支援体制圏域モデル事業において個別の支援計画作成モデルが示されたことを起点として、医療、教育、福祉、労働、行政、当事者団体の代表による委員会を構成しながら個別の支援に対して各関係機関や専門員が連携を図るためのツールとなる「発達支援ファイル」を県主導で作成しており、現在、この支援ファイルと支援員の活躍により、本人の履歴と方向性について関係機関が共有しやすくなりつつあります。

発達障がい者支援ネットワークの広がり
こうして、大分県の支援ネットワークを通して集められた発達障がいに関する様々な情報を「発達障がい者支援ガイド」として小冊子にまとめるとともに、大分大学との共同開発によってWeb公開を行い、広範囲に渡って情報提供を行うことも実現できています(http://www.moeginosato.net)。また、平成19年からは、「めぶき園」が事務局となり、県内の医療・教育・保健・福祉の各分野から100名を超える会員が結集した「大分県発達障がい研究会」が発足し、平成21年度からは大分県TEACCH研究会が発足するなど、発達障がい支援に関するネットワークはますます重層的な広がりをみせつつあるところです。

地域生活の充実を目指して
発達障がい児者への支援ニーズが高まると同時に、個別支援会議や個別支援計画の作成も盛んにすすめられるようになっていますが、さて、そのすべてが本当に本人のためになる内容になっているかという点については、まだまだ不安が残るところです。なぜならば、私たちがこれまで関わってきた困難事例の殆どは、周囲の無理解による教育や支援の結果である2次障害の現れであったからです。これは大分県に限ることではなく、全国の発達障がい者支援センターにおいても、2次障害などへの対応に追われているのが実情であります。「周囲の無理解による支援が、どれだけ彼らを傷つけ、地域の中で孤立化させてきてしまったのかという事実を踏まえた上で、個別支援会議や個別支援計画を作成する必要がある」、ということを発達障がい者支援センターや支援専門員を始めとする専門家は訴え続け、発達障がい児者が専門的な支援を身近な地域で受けられる体制の整備をすすめていかなければなりません。発達障がいに関する専門的な支援はスタートしたばかりではありますが、この専門員が毎年約30名が認定されていき、将来的には、各市町村のあらゆる関係機関に発達障がいに関する専門家が配置され、より生活に身近な場面で専門的な配慮や支援がなされていく社会の実現を目指してすすめているところです。(2010年4月)

大分県発達障がい者支援センターイコール センター長 五十嵐 猛